陶磁器とは陶器と磁器のこと。

陶器と磁器の違いは何となく知っている気がするけれど…その違いははっきりは分からないし説明できない。

そんなみなさんに、二つの違いや注意点など詳しく解説します!

 

 

【素材が違う】

 

陶器は「土もの」、磁器は「石もの」とよばれたりしますが、その素材が違います。

陶器は粘土から出来ているのに対して、磁器は粘土のほかに石の粉が入っているのです。

成分として磁器は陶器に比べて長石や珪石が多く、ガラス質を多く含みます。

 

 上が陶器、下が磁器。色も質感も全く印象が違います。

 

【色と質感】

 

磁器は透明の釉薬をかけた真っ白なものが多いです。

ガラス質が多いので表面はツルツルしています。

磁器は陶器に比べて薄く、光が透けて見えることもあります。

 

一方陶器は光を通しません。

表面はざらざらしていて、あたたかみのある印象です。

また、陶器は釉薬によってさまざまな色になりますが、もともとの粘土の色は灰色や黄色、茶色など、色のついているものが多いです。

 

【音】 


叩いた時の音の鳴り方も違いがあります。

ガラス質の多い磁器は高めのカンカンという音、陶器は低めの鈍い音になります。

磁器は陶器に比べて焼き締まっているので、音も変わってくるのです。

 

 

【吸水性】

陶器はたくさんの細かい穴があいているのに対して、磁器はガラスが穴をとじるように焼き締まっています。

そのため磁器はほとんど吸水しませんが、陶器は10%くらいと高い吸水率をもつものもあります。

吸水するのでにおいが付きやすく、しっかり乾かさなければカビが発生することもあります。

陶器は使用後すぐに洗い、よく乾かすことを心がけてください。

細かい注意点やお手入れ方法はこちらをご覧ください。



【熱伝導率】

陶器は素地に細かい穴があいているため、素地のなかの空気が断熱材の役割をして熱が伝わりにくく、保温性が高いという性質があります。

熱いものを入れても手で持てますし、冷めにくいという訳です。

土鍋が冷めにくいのも、陶器だからということなのです。

 

一方、磁器は薄い上にガラス質が多いということで熱がすぐに伝わります。

熱いものを入れた時には要注意です。

 

 


 【強度】

割れやすさにも違いがあります。

基本的には磁器の方が丈夫ですが、 薄いので部分的な衝撃を受けると割れやすいです。

陶器はもろいので衝撃を与えると割れたり欠けたりしてしまいます。

収納するときにも多少気を使います。

 

 

【代表する焼き物】

 

磁器は有田焼や九谷焼が有名。

陶器は萩焼、唐津焼、益子焼などがあります。

 



 

このように、収納や手入れなどを考えると、磁器よりも陶器の方が使用していく上での扱いには気を使うことがたくさんあります。

汚れも付きやすいので、使う前と後にはお手入れも必要です。

ただやはり陶器にしかない風合いも魅力的。

大切な食器には少しの手間と時間をかけてあげる、そんなゆとりをもった暮らしをできればと思います。
 
 
 
 
 
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